2017年ヤノナミガタチビタマムシによる欅食害広域調査

今年の天候は7月の日照り8月の長雨と例年に比較して異常といえる。その影響があってか欅などいくつかの樹木に病変が見られた。本来なら広域調査の行われた9月23日頃はチビタマムシの食害にあった欅とそうでない欅とは明確に分かるが、今年は調査の過程で判断に迷うことが多かった。決め手は落葉にチビタマムシによる食痕があるかどうかであった。調査結果は以下のとおりである。

東京都(青梅市)
  • 多摩川流域
    下流は青梅市大柳町から上流は奥多摩町丹三郎、距離8.5キロ、標高158m〜440m
    昨年と比較し鮎美橋に見られた被害樹に食害がなくなり上流の万年橋まで後退し、被害地域がわずかながら減少した。
  • 193号線
    青梅市沢井一丁目から青梅市成木8丁目 5.8キロ 標高217m〜榎峠331m〜202m
    榎峠を下って、成木8丁目の被害樹は昨年に比べ軽微になってきた
  • 成木川流域
    上流は青梅市成木7丁目から下流は成木5丁目 距離は4.9キロ
  • 標高280m〜392m
    昨年と変わりはないが上流の被害が顕著である
埼玉県(飯能市・横瀬町・日高市)
  • 名栗渓谷
    下流は飯能市飯能から飯能市上名栗 距離25.6キロ
  • 標高114m〜595m
    上流に向かうに連れて被害は酷くなる、昨年より被害樹は高度を増して山伏峠の近くまで達する
  • 53号線
    山伏峠から正丸トンネル入り口まで 距離4.9キロ
  • 標高553m〜424m
    今年になって新たな被害樹の発生を見る
  • 横瀬川
    正丸トンネルから横瀬町芦ヶ久保 距離7.9キロ 標高424m〜280m
    昨年は横瀬川渓谷にはほとんどヤノナミガタチビタマムシによって食害された欅は見られなかった
  • 吾野川
    正丸トンネルから日高市大字台 距離19.5キロ
    昨年と比較して変化は見られなかったが状況は悪化している
東京都(日の出町・あきる野市)
  • 北大久野川
    梅ケ谷峠から坂本  距離 2.6キロ 標高265m〜202m
    例年と変わりは見られないがわずかながら衰微している
  • 玉の内
    日の出町玉の内 距離500m 標高215m〜192m
    昨年まで見られなかった被害樹は玉の内の西側からおよそ500m東側に見られた
  • 平井川
    日の出町大久野下諏訪橋から大久野つるつる温泉まで 距離7.6キロ
  • 標高180m〜290m
    昨年よりつるつる温泉奥に被害は拡大した
  • 秋川支流(三内川)
    あきる野市舘谷台からあきる野市深沢まで  距離3.4キロ
  • 標高174m〜250m
    谷の広範囲に被害樹が見られたが昨年と変化は感じられなかった
  • 秋川支流(養沢川)
    あきる野市乙津(十里木)からあきる野市養沢神谷橋まで
  • 距離4.7キロ 標高201m〜300m
    養沢野良坊などに被害が広がっていた
  • 秋川
    あきる野市乙津からあきる野市舘谷まで 距離4.9キロ
  • 標高 210m〜175m
    秋川渓谷が開ける五日市駅周辺から被害樹は減少してゆく

多摩川流域では下流から被害樹の減少が見られ、わずかながら健常な方向に向かっているのかもしれない。一方、埼玉県に於いては名栗川は上流に被害が広がり、通常谷筋にみられる被害樹は山の斜面にも散見される。299号線秩父から飯能間の正丸トンネルを境として、ほぼ道に沿って西に流れる横瀬川沿いは、今年に入って被害が新たに始まった。広域調査で一番被害が深刻な状況を示したのは、吾野川渓谷上流であった。日出町では新たに玉の内地区に被害樹の発生があった。平井川上流はつるつる温泉からさらに梅ノ木峠方面に被害樹が見られた。秋川流域では養沢川の支流に新たな被害樹の拡大を見た。

文責:安藤

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