2012年から14年にかけてたまあじさいの会はエコセメント化施設周辺の放射線調査を色々な方法で行いました。ホットスポットファインダー(HSF)による調査、土壌・植物の放射線量調査、リネン布による線量調査、環境放射線モニターRadiによる空間線量調査などこれらの調査によってエコセメント化施設からの放射能汚染の実態を明らかにしました。今回の調査はHSFによる調査、土壌調査、微粒子の調査を行いました。
●ホットスポットファインダーによる空間線量調査 (2019年11月)
ホットスポットファインダーは歩きながら自動的にGPSと連動し1秒間ごとの放射線空間線量率が地図上にプロットされホットスポットがすぐに分かるシステムです。
2014年に調査をお願いした、こども未来測定所の石丸さんを今回も招いて3時間にわたる周辺調査を行いました。 今まで行ってきた定点観測は今後HSFでおこないます。
●土壌放射線量調査 (2019年)
たまあじさいの会は2011年の原発事故以後、エコセメント工場から排出される放射性物質の調査を行ってきました。今回の調査は2014年に行った調査地点と同じ地点の土壌を採取して計測しました。結果は下の表に示された通りです。この表の数値の推移を見ると色々な推測がされると思います。
これから定期的な測定を重ねる必要があると思います。
参考までに、東日本測定マップのデータによると2019年の青梅市の土壌中のセシウム137は新町29㏃/kg、成木23㏃/kg 、二俣尾26㏃/kg,日の出町大久野24㏃/kgとなっています。
●エコセメント化施設周辺の微粒子調査 (2019年11月、12月、2020年1月)
エコセメント化施設から放出される排気ガスの量は一日に9812194立方メートル、排出される粉塵は1日に20・1㎏、年間にして6トンです。ちなみに二酸化炭素の発生量は1年に12万3000トン、窒素酸化物は52トンです。粉塵には放射性物質、重金属、ダイオキシン類、酸性ガスなど人体及び環境に影響を与える物質が含まれています。昨年の11月からエコセメント化施設の周辺の決められたポイント(下図)を毎月調査します。
計測はspm測定器Dylos Loggerによって行います。この測定器はハンディータイプで持ち歩きながら簡単に測定できます。0.01立方フィート(約3立方ミリメートル)内の0.5ミクロン以上の全ての粒子(小型粒子)の数と2.5ミクロン以上の粒子(大型粒子)の数をそれぞれ表示します。下図の表の数値は1リットル中の0.5ミクロンから2.5ミクロンまでの微粒子の個数です。
写真を見てわかる通りエコセメント化施設からの排気ガスは北側の丘陵方向にたなびいている。地図で見るとポイント5・6・7・8の方向である。煙突からの距離も近い。粒子数から見てもポイント6・7・8が馬引沢沿いのポイント1から4までと比較して多い。これらの地点は標高が320mから330m。樹木に囲まれたこれらの環境は本来なら大気は清浄であるはずである。私たちが観測している限り煙突からの排気ガスは年間を通して北側に偏っている。2・3回の計測で結論できないが今後のデータの積み重ねが必要だと思う。
*「たまあじさいの会」お知らせ(2020年2月)より
*「身の回りの環境の実態を知ることによって、自分たちの環境・命を守ろう」たまあじさいの会の活動の目的です。会の活動は皆さんの会費、賛助金、カンパで成り立っています。