たまあじさいの会、2019年1月28日現在の活動をまとめました。
●リネンによる多摩川の放射線調査
福島第一原発事故以降、三多摩各地域の清掃工場で燃やされた汚染廃棄物は高濃度に濃縮された灰となり、エコセメント化施設に持ち込まれた。施設での処理工程で、汚染物質の一部はバグフィルターを潜り抜けて大気中に、水処理工程で大量の放射性物質(特にセシウム)は公共下水道を経由して八王子の水再生センターから直接下流に取水口を持つ多摩川に大量に排出されている。
一般に、水中にかなり高濃度排出されたセシウムでも、検出するのは難しい。粘土(シルト)や浮遊物質(SS)に取り込まれ水中からはほとんど検出されないことが知られている。そこで、試行錯誤した結果、当会メンバーの着想によるリネン布による水中のセシウム吸着法で、試みることになった。2015年10月から始まった調査は多摩川上流から河口まで15地点を選んで年2回行なっている。
●エコセメント施設周辺の放射線量定期観測
2011年3月の原発事故以後、三多摩各地の清掃工場からエコセメント化施設に持ち込まれる焼却灰中の放射性物質はその処理過程において、大気中に一部が排出され周辺環境を汚染しているとの予測でこの活動は始まった。2011年9月からエコセメント化施設周辺のホットスポット15ポイントの空間線量を毎月計測している。
●日の出処分場の水質調査
日の出処分場問題の発端は谷戸沢処分場の汚水漏れ疑惑から始まった。埋め立て容量260万立方のごみを、1.5ミリの防水シートでごみからの汚水の漏出を遮断することは、不可能であることは明らかである。谷戸沢処分場及び二ツ塚処分場周辺の地下水の汚染、河川水の汚染がどのように変化し広がりを見せるかについて、定期的に調
査を行っている。
●エコセメント施設周辺の環境調査(土壌・植物・水生昆虫・野鳥・気象・放射線)
2003年二ツ塚処分場内にエコセメント化施設(焼却灰をセメント化する施設)の建設が始まった。私たちは検討の末「第2次たまあじさいの会」を発足させ、エコセメント化施設の稼働前と以後のデータを残すために多岐にわたる環境調査を始めた。2010年までの7年間の調査結果の報告です。2011年の福島第1原子力発電の事故後の2年間の施設周辺の放射線調査の記録も追加した報告書である。目次は気象調査、放射能調査、土壌調査、植物調査、野鳥調査、水性昆虫調査から成っている。
●ケヤキの食葉性害虫からの救済
日の出処分場及びエコセメント化施設による周辺環境への影響に注意を払っている私たちの会は、10年ほど前から青梅市の多摩川流域にみられる欅の異変に関心を持っていた。2015年富士フイルム・グリーンファンドの支援を得られ、ケヤキの食用性害虫ヤノナミガタチビタマムシの生態、被害樹の分布状況及び被害樹の救済について調査と実証実験を行った。
●プラムポックスウィルスの調査
エコセメント化施設からの排ガスの影響を受けやすい地域に突然発生したプラムポックス(ウメ輪紋ウイルス)の調査。プラムポックスウイルス・イムノクロマトを用いて調査を行った。
●第1次たまあじさいの会の活動
1998年から2002年までの第1次たまあじさいの会の活動は、処分場に持ち込まれる焼却灰の場外飛散のメカニズムの究明と飛散の事実の証明であった。処分場周辺の気象調査、類似地形によるシミュレーション、飛散物質の捕獲・分析、微粒子の挙動実験など専門家・学者にサポートされてたまあじさいの会が行った活動の記録及び内容です。
●疫学調査
処分場及びエコセメント化施設からの汚染物質(放射性物質、ダイオキシン類、重金属等)が人々の健康に被害をどのように与えているかを明確にすることは難しい。周辺住民の疫学的調査により被害の状況を浮かび上がらせるしかない。周辺自治体からの公的データ等を用いた調査を行っている。
●学習会、講演会
1998年7月に始まった市民環境問題講演会は、各方面の著名な専門家を招いて市民とともに学習し、これまでに34回行なわれている。他にも水質調査などの集まりで行われた講義などの内容を記録している。
●支援活動、出前講座
各地にあるごみに関する住民運動、環境問題に対して、たまあじさいの会の知見を伝えたり、ともに運動を行ったりしています。
市民団体、教育現場に足を運び、ごみ問題及び処分場問題、環境調査の方法などについて講演しています。
以上のような市民による環境調査活動にご興味のある方、参加してみたい方は「たまあじさいの会」までご連絡をお願いします。お待ちしています。
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