今年度前半の活動についてのお知らせです。
たまあじさいの会
2017年8月
さて、『たまあじさいの会』は、これから何処にいくのか。この時代の日本で、どのような意義を果たしていけるのだろうか。これからも、これまでの『たまあじさいの会』であり続けるのは、そんなに簡単なことではないだろう。しかし市民による環境問題への取り組みの老舗の暖簾と味を絶やすわけにはいかない。まずは存続して行かねばならない。失ってはいけないもの、変化していかねばならないものを、日の出の闘争に直接かかわらなった世代、さらに第三の世代は、しかっと見つめて、模索していかねばならないのだろうと、思っている。
2017年度総会古澤代表挨拶文より
2017年度総会報告 1p-3p
多摩川放射線測定について 3p-4p
ヤノナミガタチビタマムシの食害から欅を守る試み 5p
ゴミ弁連総会に参加して 6p
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2017年度総会報告 2017年5月21日青梅福祉センターにて
2016年度 活動報告
〈調査・測定活動〉
・定例エコセメント化施設周辺の放射線測定
2011年9月から始まり現在に至る、毎月第二土曜を定例観測日としている
・多摩川放射線測定プロジェクト
多摩川源流から河口まで15のポイントを測定、冬と夏年2回
・チビタマムシプロジェクト
ヤノナミガタチビタマムシの欅への食害調査と対策法の研究
・水質調査
日の出処分場周辺の水質汚染の調査及び学習会
・絵本チームの活動
日の出町にある三多摩のごみ最終処分場で起きている問題を絵本でアピール
・南相馬及び一関への支援活動
放射性物質の捕捉、局地風の夜汚染物質の拡散調査
・プラムポックスウィルスの調査
イムノクロマト法によるプラムポックウイルスの調査
〈その他の活動〉
ホームページ英訳版の作成
日の出処分場問題シンポジューム
出前講座
一斉水質調査地点
2016年11月から新たに決まった水質調査地点
2018年度繰越金1279452円
2017年度 活動計画
継続的に行う調査
・処分場周辺の水質調査
・処分場周辺の定点放射線調査
・ヤノナミガタチビタマムシに関わるプロジェクト
・多摩川流域放射線調査
・絵本プロジェクト
・南相馬・一関環の境調査(土壌、水質、気象)
・プラムポックス他青梅市の樹木調査
新たに行う調査
・エコセメント化施設周辺の降下物質捕捉調査
広報の充実
・ホームページ
英訳「たまあじさいは見ていた」のアップ
・講演会、出前講座等による広報
総会は午後1時半から始まり4時まで行われた。活動報告は各項目ごとに分担された担当者が用意した資料を基に詳しい報告を行った。形式的な報告でなく内容のある報告は勉強になった。活動計画については様々な意見が出され討議された。
多摩川放射線測定について
多摩川を流れる放射性物質の補足については、有意なデータを積み上げていると思える。
本来、水中の放射性物質の測定は、よほどの大事故で放射性ヨウ素が大量に放出された直後などでなければ困難である。しかし年間二度程度ではあるが、リネン布により、多摩川の流れに存在し、一般的に下流にしたがって数値が高くなること。そして二ツ塚処分場からの排水を処理する八王子水再生センターの放水地点では著しい高い数値となることは、放射性物質の二次汚染が二ツ塚処分場からの排水(滲出水)やそこに設置されているエコセメント工場由来のものと推測できる。反省すべきことは、このリネンによる水質調査の方法は未だ確立された方法とは言えず、水の流れに浸しておく時間や、計測箇所も実施するたびに増えているので、今後も検討を十分にして、継続していかないことには科学的データたり得るかの疑問がある。しかし全長138kmもの多摩川に14箇所にもリネン布を一日で設置し、72時間後に回収し、分析に回すにはとても会員だけの力では及ばず、それが功を奏して外部の住民の有志、団体からの協力も得られることが出来た。
多摩川は東京都民の貴重な水がめであり、大切な憩いの場である。飲料に用いる「水」の安全性にはいくら注意しても、決してし過ぎることはない筈であるが、果たしてそうなのだろうかとの疑問を突きつけることは出来る。このように住民の関心が高まり、多摩川の水の収支(水源地や支流、雨水などの自然のフローと、羽村や小作、砧の取水場での水量の控除。そして家庭・産業からの排水の加算)決算・その構造について市民が十分に知り得る情報公開がなされるべきであり、それについての自由・闊達な意見を述べる機会が確保される切っ掛けになればよいと考える。飲料水の安全性への本能的ともいえる住民の疑問は、実に膨大な量のペットボトルを消費することになってしまった。(確かに大きな経済効果、ではある)自分とその周りの環境の健康は自分で守るしかないのに。
かような放射性物質の調査は必然的にフクシマに行き着く。2015年初秋に、南相馬市新田川にもリネン布による調査を含む、大気・気象の測定を準備・開始している
ヤノナミガタチビタマムシの食害から欅を守る方法の試み
ヤノナミガタチビタマムシは名前としては可愛いがやることが悪い。タマムシ科に属し体長は3~4ミリ背中に尖ったナミガタの模様がある。5月下旬から6月にケヤキの葉に産卵する。6月から7月にかけて幼虫は葉の内部に潜り込み葉を食べる。葉は落葉し、落葉内で蛹となる。8月に羽化して欅に戻って食害を与える。10月頃から樹皮の下に隠れて越冬する。このサイクルの中で欅を1年に2度落葉させ、葉脈を残して葉を食い荒らし樹勢を弱める。たまあじさいの会では昨年からヤノナミガタチビタマムシの食害対策、の一つの試みとして7月に起きる幼虫を内包した落葉を、掃き集め駆除する方法を試みてきた。昨年の結果は落葉を掃いたケヤキは並びの欅より葉の色が良く、落葉も遅かった。今回7月8日に行った欅の一斉清掃は、昨年行った軍畑大橋の右岸にある欅の周り。下草を刈り広範囲に丁寧に掃きとり、落葉は現場から袋に入れて運ばれ、成木の畑で保管された。
2016年11月6日 一斉水質調査 講義録
ゴミ弁連総会に参加して
ゴミ弁連(たたかう住民とともにゴミ問題の解決をめざす弁護士連絡会)の総会は7月2日・3日に「かんぽの宿青梅」で開催されました。全国各地にある廃棄物に関する住民運動の現場で行われるごみ弁連の総会は、20年前1997年日の出で行われました。それがが巡り巡ってまた地元に戻てきたわけです。会場には各地から集まった人たちなど71人、総会の内容は非常に盛りだくさんで1日目の集会は日の出処分場問題についての裁判、現状と問題点、住民運動の歴史などの報告・講演、ゲストによる特別講演、パネルディスカッション、各地からの抱えている問題の報告が行われました。次の日は午前中に総会があり午後は谷戸沢処分所、エコセメント工場、ちくりん舎などの見学会があり午後3時半全ての予定を終了しました。
昨年の山形県上山市の総会で日の出開催が決定してから、たまあじさいの会を中心に準備が始まり、会場探しや当日の運営及びプログラムなど、会長の梶山弁護士、事務局の坂本弁護士と打ち合わせを重ね、無事総会を終了することができました。終わってみて思うことは25年にわたる日の出の住民運動の重さ、費やされたエネルギー、司法・行政の壁など改めて考えさせられたことです。また、たまあじさいの会が調査活動を含め様々な場面で、日の出の運動に果たしてきた役割の大きさを実感しました。 安藤
2017年7月3日ゴミ弁連現地見学会 谷戸沢処分場
たまあじさいの会は1998年日の出処分場からの周辺環境への汚染を危惧し「自らの命・健康・環境は自ら守る」という考えのもとに始まった会です。
市民にできる科学的調査をもとに、一貫して、現在行われているごみ処分の問題点を指摘してきました。今後も継続して粘り強く活動を続けて行きたいと思います。
この活動は皆さんの応援で成り
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