田村バイオマス発電所 ~稼働開始による周辺への放射性物質汚染及び周辺環境調査~

我々、たまあじさいの会は、8月初めに福島 県田村市大越地区に出掛けました。
今年三月から本格操業を開始した、バイオマス発電所から今後懸念される放射能の拡散を監視するためです。
この地区は阿武隈山地の中にありますが、福島1F 爆発による汚染は幸いなことに比較的に軽微で済みました。しかし国や県が掲げる代替・再生エネルギー推進のお題目で、発電目的で福島の木材資源を燃やすのです。あろうことかバイオマス発電所に田村市は12億円もの補助金を支出してのことです。

それで市民は『大越町の環境を守る会』を立ち上げて裁判闘争を含む反対活動を繰り広げています。
簡単に言うと、税金(復興予算)で自分たちだけの利益のために、福島県の山林をはげ山にして、今は森の中でおとなしくしている放射能を、今度は田村市の大気中に CO2とともに、まき散らし汚染して、高い電力代金で買い上げてもらって利益を出す。まさに一将功成りて万骨枯れる。それでは国は大赤字となるからその差額は再生可能エネルギー発電促進賦課金として消費者にそのツケを回すだけなのです。一 般の電力消費者には実質17% の値上げに他なりません。国の補助金を湯水のごとく使って、山に眠る放射能を再度まき散らし(放射能循環型社会)、挙句の果てには阿武隈の森は丸裸となり、洪水・水不足、熱帯化・異常気象、新たな疫病さへもが頻発する引き金となるでしょう(内部被ばくで免疫を低下させてからアタック)。

これでは再生可能エネルギーではなく、日本国絶滅促進、再生不可能補助金。復興予算ではなく、亡国予算とも言えます。日本という国がダメになっても、『国破れて、山河あり』ならば、いつの日か本当の再生を期待できるでしょう。
しかし『国破れて、山河も滅亡』ならば、もはや奥の細道だけでなく原発再稼働で、 豊蘆原瑞穂の国もお終い。救いようがありません。『美しい国ニッポン』とか言いながら、国や県や市や大企業はどうしてこんな愚行を繰り返すのか。この田村バイオマスからは放射能は漏れ出さない約束だといいます。だったら、もし本当にこの施設周辺の放射線量が高まる事実が、観測されたとしたら、当局はどうするのか!? もう言い訳は通用させないぞ!!

我々はリネン布17枚を大越地区に設置しました。これが風にたなびき、空気中の浮遊している放射性物質(体内低線量被ばくの元凶)を キャッチします。その時の風の流れ、風向・風量を連続計測できる機器も二か所に設置し、そのデータは wifiによって刻々と当会のパソコンに既に届けられています。これらで放射能の空気中の流れ、一定期間中のフローを把握できます。

さらにホット・スポット・ファインダーという地図上に空間線を記録できる装置でもって、空間線量、つまり放射能汚染の変化、ストックの増減を捉えます。また同地区にある幾多のモニタリングポスト(原子力規制委員会)の公表されている過去と直近のデータを比較・解析することで、空間線量の変化を調べれば、それは公的な裏付け資料ともなり得るでしょう。

工場周辺を炎天下歩きながらホットスポットファインダーで線量調査

恐れ多くも、当局、お上のなさることは、この国を滅ぼす方向にあるとしか思えません。ならば市民が手弁当で、なけなしの体力と知恵でおかしな現象が生じていないか、これからも本当に安心できるのかを調べるしかありません。

水質調査は工場の南側を流れる水路を中心に6月に行った6地点を計測

幸いなことに『大越町の環境を守る会』の皆様とも温い信頼関係が築けています。また高木基金からは、当会に手弁当の足しとなる差し入れをしてもらい、物心両面での支援を受けます(これは復興予算とは180度反対の浄財ですよ)。何よりも我々のモチベーションは、盛夏の強い日差しを浴びて隆々と緑に輝く阿武隈の 山、川、森、田園、里山。人々の人情と環境を守ろうとされる情熱です。これらを放射能でさらに汚して、壊してしまっては我々にも罰が当たるとの思いです。帰りの車の中は、地域の皆さんからの差し入れの夏野菜で満艦飾でした。

(文責 古澤)

タイトルとURLをコピーしました