朗読劇「線量計が鳴る」元原発技師のモノローグ 脚本主演中村敦夫【報告】「たまあじさいの会」設立20周年記念公演会 2018.9.24

2018年9月24日、当会20周年記念公演会は、立川市女性総合センター「アイム・ホール」がほぼ満席(178席)の盛況であった。立ちっ放しの中村敦夫さんの一人芝居は休憩を挟み2時間半の熱演だった。この日中村さんは100回公演を目標と言われたが、既に2019年夏まで、80回を超える申し込みが入っているほど反響が大きく、お身内が体調の維持を心配されているほど過密である。
この企画は福島原発事故に伴う廃棄ごみ、大氣、河川水の放射能汚染調査に取り組む我々にとってタイムリーなテーマで、日の出の森・支える会、日の出の森・水・命の会と共催して約3ヶ月の準備期間を経て取り組まれた。
また中村敦夫参議院議員初当選が1998年、「たまあじさいの会」設立も偶然同じ年であるのも、何か縁を感じる記念企画となった。

氏は参議院議員として ―環境主義・平和外交・行政改革― を基本理念に活動が始まり政治歴後半には、環境政党「みどりの会議」を一人で立ち上げられた。
在職中、議員連盟「公共事業チェック・議員の会」会長として、乞われると気軽に全国の環境紛争地に東奔西走の日々であった。その頃「たまあじさいの会」の活動に関心を持ち、行政と産業界、学会の利権の構造と、驚くほどの司法の隷属を的確に見抜き、ごみ問題の真相を捉えた社会派ミステリー『ゴミを喰う男』(徳間書店)の執筆を始め、2007年に刊行となった。
第二作目は、風力発電起業が伸び悩む元凶として、大電力業界の原発エネルギー問題の闇が立ちはだかっている構図を『暴風地帯』(角川書店 2010)で曝露した。これも日本の政治、産業界の利権の構造が見えてくる啓蒙小説で、自らは日本ペンクラブの環境委員であり、環境文学というジャンルを開拓したいとある。
その後、中村敦夫さんの社会哲学の骨子は、同志社大学大学院3年間の講義を要約した『簡素なる国』(講談社 2011)で表明されている。奇しくも出版時期が、本書が予見したかのような原発事故と同じ時であった。

(文責 濱田光一)

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